チェ ジュンヒョン

現在の所属
今は株式会社インタートレードでデジタルアセット関連の仕事をしています。金融とブロックチェーン技術を組み合わせたシステムやインフラを扱っています。
この研究室に出会うまで
留学生だった私は、日本の大学院に進学するためにまず自分で研究室を探すところから始めました。いろいろな大学や研究室を調べているうちに井上先生とご縁がありました。
先生は私に限らず、どの学生にも「何がやりたいのか」をちゃんと聞いてくださる方でした。それぞれの考えをもとに一緒に研究を形にしてくださいましたし、私の下手な日本語よりも先に私が何を考えているのかを聞いてくださいました。今思えば、この研究室がどういう場所なのかはその時点で少し分かっていた気がします。
どんな研究だったか
一言でいうと経済の研究です。もともとお金の流れに興味があったので。
もう少し詳しく言うと、ある国で起きた金融危機がほかの国にどう広がっていくのかを研究していました。
これまでの研究は国ごとに切り離して見るものや、国同士のつながりを見ても貿易だけというように、一つのつながりしか見ていないものが多かったです。でも実際の危機はそんなに単純に一本の道で広がるものじゃないだろうと思っていました。
そこで国と国の間の「お金の貸し借り」と「モノの売り買い」がそれぞれどう効いてくるのか、そして二つがどう影響し合うのかを分析しました。その結果、両方を合わせて見ると片方だけでは見えなかったリスクが見えてくることをデータで確かめられました。
詳しく知りたい方は下の論文を見てみてください。気軽に連絡してもらっても大丈夫です。
Chae, J., & Inoue, H. (2026). Multilayer Propagation of Cross-Country Systemic Risk. Journal of Risk and Financial Management, 19(3), 197.
https://doi.org/10.3390/jrfm19030197
研究室で得たもの
私はまだ誰もやっていないことに挑戦するのが好きです。ただ、そういう挑戦はだいたい無謀で失敗することも多いです。実際かなり失敗もしました。
それでもこの研究室では無謀なだけで終わりませんでした。先生はまだ何の結果もない私のやる気を信じてくださり、一歩進むたびに次の目標を一緒に考えてくださいました。信じてもらえるとそれに応えたくなります。その気持ちが思っていた以上に大きな力になりました。
挑戦する人とそれを信じてくれる人がいると、こんなに力が出るんだということを身をもって知りました。これが研究室で得たいちばん大きなものです。
今の仕事で
今の仕事は大学院の研究と直接つながっているわけではありません。でもデジタルアセットやブロックチェーンはまだ正解がない分野で、私はここでも新しいことがあれば真っ先に手を挙げています。
研究室に入る前の私なら、初めてのことを前にまず「失敗したらどうしよう」と考えていたと思います。今は「やってみよう」と言えます。研究室でそうやって始めて最後までやり切った経験があるので、今回もできるはずだと思えるんです。
進学を考えている皆さんへ
大学院に来る理由は人それぞれですし、どんな理由でもいいと思います。
ただ、もし「これを一度とことんやってみたい」という気持ちが少しでもあるなら、その気持ちをそのままにしないでほしいです。大げさなものじゃなくて大丈夫です。「ちょっとやってみたい」「これ気になるな」くらいで十分です。
その気持ちを信じてくれる人がいて、期待に応えたくて、あるいは自分をがっかりさせたくなくて必死に頑張った経験は、思っているよりずっと長く残ります。この先何をするにしても、自分を信じるための武器になってくれるはずです。
私がいた井上研究室は、そういう経験ができる場所でした。



