研究内容

データに基づく社会シミュレーション

Social Simulation on Real Data

社会において観測されるさまざまな現象は、なぜそれが起きたかわからない「複雑さ」を持っています。現象の複雑さの根源は、社会における要素それぞれにあるのではなく、要素の関わりの中にあるといえます。すなわち、複雑さは関係性から立ち現れる性質を持っています。私たちの研究では上記を踏まえて、ネットワークやエージェントモデルをアプローチの道具とし、実際の観測データを用いながら、さまざまな社会的現象を分析しています。

企業や個人のチームから現れるイノベーション

世界を驚かせるような大発見は、ともすれば一人の天才等に焦点が当てられがちですが、実際にはほとんどの発見やそれに伴う変革(イノベーション)はチームが生み出した成果です。本研究では、どのようなチームがより大きな発見を生み出す可能性があるのかを明らかにし、企業の戦略や国家のイノベーションシステム構築に資することを目的としています。

経済活動における倒産や災害などの環境変化の波及と抑制

経済的競争は世界的な規模となり、企業は変化へのさらなる対応力を求められていると言えます。結果として企業はより身軽になろうとし、他の企業との取引や協力関係により競争力を確保しています。このような相互に依存している状況では、倒産や災害といった環境の変化が大きな波及効果を生み出し、結果を予測しづらいといえます。本研究では、そういった変化の波及はどのように起きるのかを明らかにし、企業の戦略や政策の立案に資することを目的としています。

スポーツにおける戦略

サッカーなどの団体スポーツにおいては、個人のスキルとともに組織が重要とされています。しかしながら、スポーツのような動的な状況では再現性が確保されず、客観的に把握しづらいといえます。本研究では、ゲームの中で繰り返し現れるあいまいな定型性を見出すことを通じて、組織が体現している戦略を機械的に明らかにし、そのスポーツの深い理解に資することを目的としています。

修士学生による学位論文タイトル

これまでに指導した修士の学生の皆さんの学位論文のタイトルです.
Twitterのリツイート行動に影響するネットワーク特性の分析
水嶋拓貴さん
時空間データにおけるトピックモデルを用いた集団行動の発見手法
田中秀明さん
位置と向きを考慮したシンボル化による集団運動パターンの機械学習による分類
玉越智也さん
コミュニティ検出とその時間発展に基づくインターネット成長過程およびモデルの検証
濱本拓海さん

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シミュレーション学研究科は、スーパーコンピュータ「京」が神戸ポートアイランドに設置されるのに合わせて、大学院修士課程として2011年4月に開設されました。本研究科ではシミュレーションを単なる道具ではなく、1つの学問体系として「シミュレーション学」を提唱しています。この新しい分野を自分自身の力で切り拓いていこうとする意欲ある人を求めます。